同じように英語を勉強するのであっても、効率よく語学学習したいと考えるのは当然です。そうしたとき、オンライン英会話の勉強方法としてはどのように実践すればいいのでしょうか。
これについては、初心者や中級者、上級者によって学習法が違ってきます。また、教材の選び方についてもコツがあります。これらを理解したうえで、オンライン英会話を活用して勉強するからこそ、英語力を身に着けられるようになります。
それでは、オンライン英会話でのレッスンをするに当たり、具体的にどのような学習法を実践すればいいのでしょうか。
人によって英語能力のレベルはさまざまであるため、ここでは初心者から上級者まで含めた効果的な勉強法を解説していきます。
もくじ
学習時間を確保し、毎日のレッスンを考える
基本的なスタンスとして、オンライン英会話を開始するときは毎日の勉強時間を確保するようにしましょう。上達法を理解する前に、毎日のレッスンを継続するための時間を捻出するのです。
私についても、毎日の仕事があって夜遅くまで仕事をしています。ただ、そうした中でも毎日1時間はオンライン英会話の時間を確保して勉強しています。なぜ、このように留意する必要があるかというと、そうしなければ外国人と対等に話せるようになるまで時間がかかりすぎるからです。
実際のところ、初心者の状態からレッスンを開始して「外国人の言っていることを、かなり理解できるようになったかも!」と大きな成長を実感できるのは、「学習時間が延べ100時間に達したころ」といわれています。これについて、毎日の学習だと100時間は以下のようになります。
- 毎日25分:8ヵ月
- 毎日50分:4ヵ月
これだけの時間を継続することで、英語を徐々に話せるようになるのです。効果的な勉強方法とはいっても、短期間で英語を習得できる魔法は存在しません。そのため、継続した毎日の勉強時間の確保がどうしても必要になります。
一方、週2回の受講(1回25分)であればどうでしょうか。この場合、2年間を継続したとしても勉強時間の合計は80時間ほどです。
この場合、ジェスチャーなどを交えて自分の言いたいことを相手に伝えられるレベルになります。そのため海外旅行などでは困らなくなります。しかし、海外の人と対等に話せるまでには至りません。
旅行英語を目指すのであれば、週1~2回ほどのレッスンでも問題ありません。ただ、「外国人と対等に会話できるレベルになりたい」と考える場合、毎日の勉強時間を確保することから開始するようにしましょう。
講師へ積極的に質問する
そうして実際にオンライン英会話を活用して勉強することになりますが、このときは講師に対して積極的に質問するといいです。
英会話スクールの場合、他の生徒もいるので質問は遠慮がちになりますし、また恥ずかしいです。ただオンライン英会話はマンツーマン指導となるため、自由に質問して問題ありません。「こんな簡単な質問でも大丈夫か?」ということでも積極的に質問するといいです。
また、そのほうが記憶に定着しやすいです。そこで、以下のフレーズを多用しましょう。
- What does this mean?(この意味は何ですか)
単語でも文章でも、理解できない点については、この言い回しを何度も活用するといいです。質問した部分について講師が別の英語で言い換えてくれるため、そうしたことを聞き取りするのも英語学習の上達に役立ちます。
例えば私の場合、教材を活用して勉強するときに「fridge」という単語に出会ったことがあります。単語の意味を理解できなかったので尋ねると、「refrigerator(冷蔵庫)」だと教えてくれました。
長い単語は言いにくいため、通常だとネイティブはrefrigeratorという言葉を避け、fridgeを使うようです。こうした細かいネタや単語の使い方を講師からその場で教えてもらったことにより、fridgeという単語を一瞬で覚えることができたわけです。
・学んだことをその場や次のレッスンで使うのは効果的
また上達法のコツとして、学んだことをその場で利用したり、次のレッスンで使ったりするといいです。実際のところ、英語力の向上は「どれだけ単語やフレーズ、文法を覚えて使いこなせるのか」が最重要になるからです。
そのため新たな表現に出会ったとき、その表現を用いて文章を作ることを私はいつも心がけています。もちろん、次のレッスンでも意識的に活用することで記憶への定着を図るようにしています。
すき間時間にニュースやTEDトークを見る
またより効果的な英語学習を実践したい場合、すき間時間についてはできる限り英語の勉強時間に充てるようにしましょう。
このとき、机に向かって勉強する必要はありません。つまらない学習法を実践しても人間はすぐに挫折するため、気軽な感じで続けられる勉強法がいいです。そこで、電車での通勤や昼休憩などでニュース記事を読むといいです。
ニュース記事としては、オンライン英会話にある過去記事を利用すればいいです。また英語力が付いている人なら、The New York Timesなど有名な英字新聞記事を読んでも問題ありません。
出典:The New York Times
他には、TEDトーク(有名な講演会大会)を閲覧するものいいです。これについては、英語字幕で見るようにしましょう。
出典:TEDトーク
英語字幕で映像を見ることによって英語の発音と単語を同時に確認できますし、分からない単語があればその場で調べても問題ありません。講演内容自体も非常に勉強になるため、オンライン英会話のレッスンと並行して勉強すると学習時間が増えます。
「ネイティブと対等に話せるようになるには、延べ1,000時間に渡る勉強時間が必要だ」と一般的にいわれています。高校までに全員が英語を勉強しているわけですが、それとは別に1,000時間というわけです。そこで、すき間時間を有効活用するのです。
初心者はレッスン冒頭の挨拶文を最初に考える
そうしたとき、英語の上達法として初心者は何を考えなければいけないのでしょうか。ここまでは全員に共通する勉強方法を解説してきましたが、レベルごとの効果的な学習方法を解説していきます。
特に初心者については、最初の挨拶が非常にぎこちないものになります。そこで、挨拶文をしっかり考えるようにするといいです。そうして、オンライン英会話での勉強を重ねるにつれて挨拶の内容を発展させていくといいです。
どの講師であっても、レッスンの最初に「How are you today?(今日はどうだった?)」と聞いてきます。このとき、初心者だと以下のような簡単なフレーズで終わります。
- I worked in the office today.(今日は会社で働いていました)
- There was a big project.(大きなプロジェクトがありました)
- I won a big order.(大きな受注を受けました)
これについては、初心者なので仕方ないといえます。そこで、使える英語を発展させていきましょう。例えば先ほどの文章を以下のようにつなげるだけでも、それっぽくなります。
I worked until now, because there was a big project. And finally I won a big order.(大きなプロジェクトのため、今まで働いていました。そして最終的に大きな受注を獲得しました)
接続詞などを用いて短い文章をつなげれば、それなりの英語になります。日本語でも接続詞などを使って文章を組み立てますが、英語でも同じことをします。そこで、最初の挨拶を活用して「どのような話をすれば効果的な英語を組み立てられるのか」を意識するのが上達のコツとなるのです。
文法の勉強は初心者で必須
ただ、「初心者が何も勉強をせずに文章を組み立てるようになれる」のは、100%の確率であり得ません。英語で文章の組み立てをするためには、文法の学習が必須となります。ある程度の年齢に達した大人や子供(小学生以上)が文法の勉強をせずに英語を話せるようになることはないのです。
そこで、文法の勉強は必ず行うようにしましょう。多くの場合、オンライン英会話では文法に関する教材が用意されています。そこで、文法学習を進めるようにするのです。
私についても以下のように、かつてはオンライン英会話で一人の先生を使って文法の勉強ばかり続けていた時期があります。
「英文法は本から勉強すれば問題ないため、オンライン英会話でレッスンを行うのは無駄」という意見は確かにあります。ただ、実際に私が「オンライン英会話を活用した文法学習」を体験して感じたのは、マンツーマンレッスンのほうがはるかに文法知識を得られるという事実です。
教科書だけでは理解できないことであっても、オンライン英会話であれば講師が教えてくれます。例えば、疑問形について文法の勉強するときに「実際のところネイティブを含め、疑問形での完璧な文法を使うことはなく、語尾を上げることで疑問形に変換する」と講師から教えてもらったことがあります。
例えば、以下が正しい文法です。
- Do you play baseball?
ただ、ネイティブでも「You play baseball?」と言い、最後の語尾を上げることで疑問形にするというわけです。またフィリピン人など、ほとんどのノンネイティブはこうした表現方法をします。
ここから、実践英語を身に付けるうえで「疑問形への変換は完璧にできなくても問題なく、ほどほどを理解できればいい」と分かります。日本人が目指すべき完璧な英語ではなく、あくまでも外国人と効率よく意思疎通を図ることであるため、これで問題ありません。
教科書にはなくても、こうした「実際のところ、どのように英語を活用するのか」を教えてくれるのが、オンライン英会話の利点だといえます。
事前の予習・復習は重要
さらにいうと、初心者で必ず意識するべきは予習・復習です。オンライン英会話では教材を利用することになりますが、当然ながら教材は英語で書かれています。
そうしたとき、教材の内容をまったく理解できない状態で受講するとレッスンの効果は半減します。
そこで、事前の予習を済ませるようにしましょう。分からない単語を調べておき、教材の読み込みを完了しておくのです。これに加えてオンライン英会話でのレッスンが加わるため、結果的に内容が記憶として定着するようになります。
なお当然ながら、復習についても行うようにしましょう。人間の記憶は必ず忘れるようにできているからです。例えば私の場合、知らない単語についてはメモを行い、すき間時間にいつでも見返すことができるようにしています。
一回のレッスンだけで英語能力を向上させるのではなく、その前後で予習・復習を実践する勉強方法であれば、学習効果はより向上します。
中級者はニュース教材利用が上達のコツ
一方で文法についてある程度理解し、オンライン英会話を数ヵ月ほど継続すれば中級者になれます。初心者から中級者については、わりとすぐに達します。そうして中級者となったとき、効果的な学習法としてニュース教材の活用があります。
利用するどのオンライン英会話でも、ニュース教材を用意しています。以下のように、さまざまなニュースを読み解いてレッスンを行う教材があるのです。
こうしたニュース教材には、科学技術や健康、経済などいろんなテーマがあり、あらゆる視点から新たな単語や表現を学ぶことができます。
またニュース英語は意外と内容が難しく、講師と一緒に長文を読解していかなければいけません。そのため最初は難しく感じますが、基礎ができている状態で1ヵ月ほどニュース教材学習を続けていれば、次第に「予習なしでも一回講師に読んでもらう(ヒアリングする)だけで、わりと内容を理解できる」ようになっていきます。
中級者にとって、圧倒的に足りていないのが語彙力です。また、理解している表現の数も足りていません。そこで、ニュース教材にできるだけ触れるよう留意にするのです。
実際のところ、中級者にとっての上達法のコツとしては「ニュース教材をメインに学ぶこと」だといえます。そうした語彙力を増やし、会話表現を向上させることが優れた学習法になります。
仕事で英語が必要ならビジネス英語
ちなみに仕事で英語が必要な場合、上級者であればビジネス英語を学んでも問題ありません。ニュース教材と並行してビジネス英語に関する教材を学ぶことで、すぐに仕事へ活かすようにするのです。オンライン英会話によっては、以下のようにビジネス英語の教材を用意しています。
例えばビジネス英語では、以下のような単語を覚えていくことになります。
- profit:利益
- budget:予算
- branch:支店
ビジネスの場で必要な英単語はそこまで多くありません。そのため、そのような必要最小限のビジネス英単語を優先的に学べば、オンライン英会話による英語能力の成長を実感しやすくなります。これに加えて、あなたの業界に特有な専門英語を覚えれば問題ありません。
上級者はネイティブを使ってもいい
効果的な上達法のコツとして、初心者や中級者は「ノンネイティブを利用するべき」ということがあげられます。ネイティブだと会話スピードが早く、初心者や中級者は追いついていけないからです。またネイティブは英文法について理解(意識)しておらず、高いお金を出してネイティブを指名する意味がありません。むしろ、学習効率が落ちます。
ただ、毎日の勉強を続けていくと、やがて中級者から上級者に達します。こうした段階の上級者まで成長した場合、ネイティブを活用しても問題ありません。
上級者になるとネイティブ独特の言い回しにも対応できるようになります。例えばアメリカ英語だとリエゾン(単語と単語の間で言葉を発しないこと)が多く、さらには単語の省略が非常に多いため、慣れていないと聞き取りが難しいです。
そこで上級者になった場合、ノンネイティブに限らずネイティブとのレッスンにより、あらゆる国の人と対等に会話できるようにしましょう。オンライン英会話によっては、以下のようにネイティブを指名できることがあります。
また、発音に関しては「ネイティブ講師に指導してもらう勉強法」のほうが効果的です。これについては当然ですが、英語力が上昇した後はネイティブの活用まで視野にいれましょう。
レベルごとに効果的な勉強方法は異なる
どのような英会話上達法が優れるのかについて解説してきました。ここまでのポイントを理解すれば「効果的な勉強法は初心者・中級者・上級者とステージごとに異なる」ことが分かります。上達のコツというのは、現ステージの英語力に合った勉強法を選択することにあるのです。
そこで、以下のポイントを意識して重点的な学習を実践しましょう。
- 初心者:文法学習を必ず行い、予習・復習を欠かさず実施する
- 中級者:ニュース教材やビジネス英語教材を中心に勉強する
- 上級者:ネイティブの活用を視野に入れる
もちろん、外国人と対等に話せるようになるレベルを目指すのであれば、毎日の学習が必須です。海外旅行で困らないレベルでいいのであれば週1~2回のレッスンで十分であるものの、そうでない場合は毎日の英語学習のクセをつけるようにしましょう。
こうした学習法を意識して語学の勉強を継続していくことが、初心者から開始して英語能力を上達させるコツになります。