英語学習でオンライン英会話を利用する場合、ほとんどの場合で教材(テキスト)を活用することになります。フリートーク(教材なしでのレッスン)はほとんどなく、教材を利用するからこそ語彙力が付き、いろんな英語を表現できるようになるわけです。

ただ、オンライン英会話には多くの教材があるため、学習開始の最初のほうではどのテキストを活用して学べばいいのか見当が付きません。

また利用するオンライン英会話によって教材の内容が異なります。そのため利用前では、教材の内容が充実しているおすすめのオンライン英会話として何があるのかも不明です。

そこで初心者・中級者・上級者の順で「どのようにテキストを活用すればいいのか」「おすすめ教材には何があるのか」を解説していきます。

初心者の教材の選び方:文法知識をオンライン英会話で学ぶ

英語学習について、初心者の学習で重要なポイントに文法があります。英語を話すとき、中学英語レベルの文法知識がなければいけないからです。

「英会話で文法が不要」というのは、半分正解でもう半分が不正解です。より厳密にいうと「中学レベルの文法は必要であるものの、より高度な文法知識は必要ない」といえます。

私たち大人は小さい子供のように、聞き流すだけで英語を話せるようになることはありません。ただ、文法を理解することで論理的に文章を組み立て、そのうえで会話することなら可能です。小学生以上の子供を含め、ある程度まで成長した場合は文法知識が不可欠になります。

このとき、「文法をオンライン英会話で学習するのは非効率」という意見があります。文法は教科書を読めば学習できるからです。

一見すると正しい意見ですが、あなたは机に向かって一人で「つまらない文法の勉強」を行えるでしょうか。例えば、以下は過去に私が購入した有名な文法書です。

私はこの文法書で勉強することを決めたものの、三日以内に挫折しました。勉強がつまらなかったからです。

一方でオンライン英会話であれば、「口から言葉を発する」というアウトプット形式での勉強になるため、机に向かって勉強する感じではありません。そのため問題なく続けられます。また重要なのは、マンツーマン指導なので教科書では分からないことを含めて教えてもらえることです。

例えば文法教材で「文章の言い換え」に関して学んだとき、以下について置き換えが可能であると講師から教えてもらったことがあります。

  • next week:following week
  • last month:previous month

followingは「次の」という意味になり、previousは「後の」の意味になります。また、実際の会話では非常によく使う表現のため、必ず覚えるようにいわれました。また、このとき2週間前はどう表現するのか講師に聞くと「following two weeks」になると教えてくれました。

実際の英会話において、どこが重要なのか教科書では絶対に分かりません。ただ、マンツーマン指導であれば教えてくれます。

そのため、オンライン英会話で文法学習が無駄という人というのは「オンライン英会話で文法レッスンをしたことがない人」「既に英語上級者であり、文法を学ぶ意味のない人」のどちらかだといえます。ちなみに、私が初心者のときは以下のように文法ばかり学んでいた時期があります。

教科書だけ読んで文法を学ぶことほど非効率なことはありません。何が重要であり、どこがポイントなのか分からないからです。オンライン英会話で文法教材は必ず存在するはずなので、初心者は最初に文法学習から入るのをおすすめします。

初心者向けの会話レッスンを同時で利用する

ただ、いくらオンライン英会話が続けやすいとはいっても、文法学習ばかりでは飽きてしまいます。また、文法学習だけでは「本当に英語力が向上しているのだろうか?」と初心者は不安を覚えます。そこで、初心者は同時に会話レッスンもスタートするようにしましょう。

初心者用の会話レッスンであれば、文法トレーニングで学んだことをすぐにでも活かせるようになります。例えば、以下の会話練習教材では、「Which is the:いくつかある中でどれかを表す文法表現」「the ~est:最上級の文法表現」などが利用されています。

もちろん、こうした教材では設問も儲けられています。そのため、それまでに学んだ文法構文を活用して英会話レッスンを進めれば「実践で使える英語」として身に付くようになります。

瞬間英作文トレーニングの利用は有効

なお英会話のための書籍として、ロングセラー本に「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」があります。

「本来の英文の意味と訳が異なる文章がいくつかある」など、批判のある本でもありますが、それでも英語初心者が英会話力を伸ばすことを考えたときはかなり役に立ちます。私についても、英語初心者のときはこの本を活用していました。

ただオンライン英会話によっては、教材の中に瞬間英作文トレーニングが組み込まれていることがあります。

テキストが充実しているオンライン英会話だと、こうした初心者にとって優れた教材を用意しているケースがあるのです。また教材に「瞬間英作文」がなかったとしても、瞬間英作文トレーニングの写真など本の内容を送って講師にレッスンしてもらっても問題ありません。

25分のレッスンであれば、フィードバックをもらいながらであっても、瞬間英作文を3~4ページは進めることができるはずです。ちなみに、私の場合は毎日50分でオンライン英会話を利用していたため、1ヵ月以内で瞬間英作文トレーニングの一周目が終わりました。

中級者の選び方:ニュース教材がメインになる

ただ、文法や瞬間英作文トレーニングなどを実施し、3~4ヵ月ほど経過すれば英語初心者を抜け出すことになります。初心者の状態は意外と早く離脱できると考えましょう。

私の場合、オンライン英会話を開始した当時の英語能力は非常に低かったです。また社会人になって10年以上も英語学習から遠ざかっていた状態で始めましたが、それでも2~3ヵ月ほどで英語初心者の状態を脱することができたわけです。

そうして文法や瞬間英作文トレーニングの勉強はしなくなり、中級者レベルになった私が次にメインテキストとして利用するようになったのがニュース教材です。

レッスンの最初からニュース教材に挑戦してもいいですが、文法についてまったく理解しておらず、さらには会話教材や瞬間英作文などを利用して「英語をすぐに口から出すトレーニング」を終えていない段階で学んでも効果は薄いです。

またニュース教材は長文であり、それなりに内容は難しいです。そのため初心者を抜け出し、中級者以上になった段階から勉強を開始するといいです。

ただ中級者以上であれば、ニュース教材はかなり優れたテキストになります。毎回の学習内容が異なりますし、語彙力向上に最も適しています。また、いろんな文章に触れることになりますし、自分の意見を述べる設問が存在するのでフリートーク力を鍛えるレッスンにもなります。

ちなみに中級者の場合、基本的にはニュース教材ばかりを活用してレッスンすれば問題ありません。ある程度の基礎ができあがれば、テキストとしてはニュース教材ばかりを選ぶようにしましょう。

ビジネス英語のテキストを選択する使い方

または、仕事で英語を使う機会の多い人であれば、ビジネス英語のテキストを積極的に活用しても問題ありません。

ビジネス英語については、専門用語が難しいので最初は大変です。ただ、理解するべき単語の数は多くないため、一度でも覚えてしまって語彙力を増やしてしまえば、日常英会話よりもビジネス英語のほうが圧倒的に簡単という特徴があります。

日常英会話で外国人と会話していると、宗教など日本人が普段聞き慣れない話題が出てくるため、話についていくのが意外と大変です。ただ少なくとも、ビジネス英語でそうした特殊な話題が出るケースは少ないです。

そのため中級者になったのであれば、仕事で英語を利用したいときにはオンライン英会話にあるビジネス英語の教材を使いましょう。以下のように、ビジネスの場で必要な言い回しについてトレーニングできるようにテキストの内容が組まれています。

いきなり初心者がビジネス英語を勉強するのはおすすめしませんが、文法などの基礎を学んだ後であれば、こうしたテキストを活用して学べば問題ありません。

上級者の選び方:基本はニュース教材を続ける

一方である程度の上級者になった場合はどうすればいいのでしょうか。初心者の状態はすぐに抜け出せるものの、中級者として学んでいる時期は非常に長いです。オンライン英会話を続けて6ヵ月ほど学べば「英語を話せるようになっている!」という感覚はあるものの、まだまだ分からない単語は多いですし意思疎通がスムーズになるわけではありません。

そのためさらなる学習は必要になりますが、上級者になったとしても教材の選び方としては引き続きニュース教材がメインになります。

このときはオンライン英会話の無料テキストを用意してもいいですし、The New York Timesなどが公開している無料ニュースを教材として活用しても問題ありません。

出典:The New York Times

ニュースを利用すれば、どのジャンルでも学ぶことができます。また知らない単語が出てくる可能性も高く、そのつど語彙力を磨くことができます。

また利用したニュース教材について、教材内容に関して講師と一緒に討論することで会話力をさらに高めることができます。上級者にとって、内容が尽きないニュースは非常に重要な無料テキストだといえます。

教材の持ち込みでレッスン内容をカスタマイズする

なおオンライン英会話が提供しているニュースに限らず、世の中で一般的に公開されているニュースであっても教材になることから、あなた自ら持ち込みをして勉強題材として指定するのは何も問題ありません。

むしろオンライン英会話では、テキストの持ち込みが可能であるからこそ、その人に合わせた最適な英語学習を可能にしている側面があります。レッスン内容をカスタマイズできるのです。

例えば英語でのプレゼンテーションの予定がある場合、ニュース教材などでの学習はいったんストップして、プレゼンテーションの練習に付き合わせれば問題ありません。発音チェックや質疑応答を含め、本番までに講師に何度もチェックしてもらうのです。

または、「英文添削をしてもらいたい」「英語資料を一緒に解読してもらいたい」などのケースでもいいです。これについて、問題なく教材を持ち込みしてレッスンを受けることができます。

オンライン英会話ではチャット機能があり、ファイルを送れるようになっています。そのため上級者は当然として、中級者であっても自らテキストを持ち込みして学習することができます。

無料テキストありのおすすめオンライン英会話比較

どのオンライン英会話の利用であっても無料テキストがあります。そうしたとき、レベルごとにおすすめ教材を解説してきました。

上級者であれば自らテキストを持ち込みし、自分流にレッスン内容をカスタマイズすれば問題ありません。ただ、特に初心者だと文法や会話表現など「初心者に最適な教材が充実しているオンライン英会話」を選ばなければいけません。

そうしたとき、オンライン英会話の選び方・使い方としてはどのように考えるのがふさわしいのでしょうか。オンライン英会話は数が多く、教材内容がどうなっているのか比較しなければ分かりません。

このときオンライン英会話の中でも、テキストが充実しているおすすめオンライン英会話としては以下があります。

DMM英会話

英語初心者が語学学習を考えるとき、最も初心者に適しているオンライン英会話がDMM英会話です。単純に初心者用のテキストが非常に充実しているからです。

DMM英会話の場合、「文法」「会話表現」があるのは当然として、瞬間英作文トレーニングについても教材として存在します。つまり本を購入しなくても、DMM英会話にて無料で本を活用した瞬間英作文の英会話トレーニングが可能になっているのです。

さらには英語上級者であっても対応されており、世界の文学など難しい教材も存在します。初心者や中級者だけでなく、上級者用の教材も広く用意されてあるのがDMM英会話です。

またDMM英会話では、フィリピン人に限らずあらゆる国の人とレッスンを受けられます。多国籍の講師を指名でき、24時間いつでもレッスンが可能です。そのため、あらゆる人に最適なオンライン英会話がDMM英会話です。

レアジョブ

格安で受講できるオンライン英会話の中でも、レアジョブでは特にビジネス英語のテキストが充実しています。ビジネス英語だけでもテキストが500以上であり、他のオンライン英会話に比較してもかなり多く、仕事でビジネス英語を学びたいと考えている人にとって最適です。

なおレアジョブの場合、「文法に特化した教材」はありません。ただ、会話練習の教材の中に文法の解説が組み込まれており、初心者であっても会話教材を利用することで文法知識が付いていきます。また中級者以上であっても、ニュース教材での学習で文法知識についてそのつど再確認できます。

このとき、レアジョブだとフィリピン人講師のみの受講になります。またフィリピン人だけが講師として在籍するため、24時間受講ではないというデメリットもあります。

ただビジネス英語の教材は非常に充実しているため、割安の金額にて「仕事で使う語学力を伸ばしたい」と考えている人に最適です。

ネイティブキャンプ

教材が充実しているオンライン英会話にネイティブキャンプがあります。「完全初心者用のあいさつ教材」「文法」「会話表現」などのテキストが存在するため、英語初心者であっても問題なくレッスンを開始することができます。

またニュース教材があるので中級者は問題なく学習できますし、カランメソッド(通常よりも4倍の速度で英語習得するイギリスで開発された学習法)に関するテキストまで存在します。

さらに、ネイティブキャンプでは「何度でも受講したい放題」という特徴があります。そのため、すき間時間に何度もレッスンを受けたい人に向いています。

ネイティブキャンプの講師は多国籍であり、24時間いつでも受講できます。このとき、講師を指定するタイプのオンライン英会話ではないので、決まった講師とレッスンを受けることは基本的にありません。ただ、独自のテキストを用意しており、「受講回数は無制限」と優れた制度になっているオンライン英会話です。