英会話を上達させるコツとして文法の習得があります。既に大人になった人たちは、小さい子供のように「聞き流すだけで英語を習得する」ことは不可能になっているからです。ただ英語のルールとして文法を習得すれば、より効果的に英語を話せるようになります。

そうしたとき、非常に効果的な文法学習法としてオンライン英会話があります。オンライン英会話を利用するほど、実際の英語により近い形で文法力を鍛えられるようになります。

このとき、オンライン英会話を利用した、より優れた方法が存在します。正しい方法で学習を進めるからこそ、グラマー(文法)の勉強がはかどるようになるのです。

そこで、ここでは「オンライン英会話を活用し、どのようにして効率的に文法学習を取り入れればいいのか」について解説していきます。

文法は必要?中学英語は必須だが、それ以降は不要

英語を学ぶとき、「文法はまったく必要ない」「文法は絶対に必要」という2パターンの意見に分かれます。これについては、どちらも正解です。ただ英会話に限っていうと、以下が正解だといえます。

  • 中学英語レベルの文法は必須だが、より高度な文法知識は不要

文法が必要か不要かという極端な議論をするから、答えが見えなくなるわけです。そうではなく、「文法については中学英語レベルまで勉強すればいい」とだけ理解すれば問題ありません。実際のところ、ネイティブを相手に会話を交わすにしても、中学英語のみでも困ることはまったくないからです。

もちろん、あなたが同時通訳者を目指すなど高度な英語力を磨かなければいけない場合、難しい文法を学べばいいです。ただ「ビジネスの場で英語を使いたい」「学生留学をする」などの場面を考えるとき、難解な文法は不要だといえます。

・日本人でさえ日本語の文法はめちゃくちゃ

なぜ、中学英語レベルの文法で問題ないかというと、細かすぎるルールを覚えても利用しないからです。実際のところ、日本人でも日本語の文法はほぼ全員がめちゃくちゃです。

例えば、あなたは以下の単語について尊敬語や謙譲語を言えるでしょうか。また、日常生活で使っているでしょうか。

  • 食べる
  • 着る
  • 行く

正解をいうと、以下のようになります。

  • 食べる(尊敬語:召し上がる、謙譲語:いただく)
  • 着る(尊敬語:お召しになる、謙譲語:着させていただく)
  • 行く(尊敬語:いらっしゃる、謙譲語:参る)

これについて、私を含め尊敬語や謙譲語を即答できなかった人がほとんどではないでしょうか。

さらにいうと、日常生活で「お召しになる」などの言葉を使うでしょうか。実際のところ、ほぼ利用しないと思います。また他の言葉であれば、普段の生活では「どの時間にいらっしゃいますか?」ではなく、「いつ来ますか?」と相手に伝えるはずです。要は、完ぺきな文法を理解したとしても利用場面がほぼないと考えましょう。

当然ですが、英語も同じです。重要な中学英語さえ理解できていれば、英会話において困ることは基本的にないと考えましょう。私についても、中学英語しか勉強していませんがいまでは英語で会話するときに困る場面はまったくありません。

英語を教科書で学ぶから文法を習得できない

ただ多くの人が犯してしまう文法学習の間違いとして、「教科書でグラマー(文法)の勉強を開始しようとする」ことがあげられます。その結果、英語学習がまったく見につきません。

例えばグラマーの習得では、以下の「一億人の英文法」が非常に有名です。

私についても、この本を購入しました。ただ1時間ほど頑張って勉強しましたが、すぐに挫折しました。内容が細かすぎであり、非常に内容が高度で難しいのです。参考書をながめ、淡々と勉強できる人ならいいですが、私を含めそうした人は稀だといえます。

また前述の通り同時通訳者レベルの英語力を磨きたいならいいですが、そうでない場合はこういう本での学習は不要です。

またあなたが英語上級者ならいいですが、そうでない人が「教科書を読んで、いきなり内容を理解する」のは不可能です。中学校や高校でも、学校の先生が重要なポイントを教えてくれるからこそ理解できたのであり、教科書を読むだけで内容を把握できることはないのです。

一方でオンライン英会話であれば、同じように文法を学ぶにしても「実際のところはどうなのか」を含めてその場で教えてくれます。

例えば以前、私は「前置詞のfor」についてオンライン英会話で文法の勉強したことがあります。forについて、オンライン英会話の教材には「何かをする目的や終着点(endpoint)でforを利用する」と記されていました。このとき、教材では同時に以下のような例文がありました。

  • I have a lot of respect for his work.(私は彼の働きについて非常に尊敬している)
  • He was thankful for his family’s help.(彼は家族の助けに感謝していた)

この文章について、なぜforを使うのか私はまったく分かりませんでした。そこで講師に質問をすると、「この例文ではhis work(彼の働き)やhis family’s help(家族の助け)を終着点(endpoint)と考えるといい」と教えてもらいました。

上の例文だと、「his workという最終地点により、I have a lot of respectという考えをしている」「his family’s helpという最終地点により、He was thankfulという感情がある」というわけです。

要は「最終的な結果」を終着点(endpoint)と考えたとき、forを利用することになるようです。このときのレッスンについては、以下のようにforの他にもいろんな前置詞を含めて文法を学びました。

英語文法の中でも、特に前置詞の使い方は非常に複雑で難しいです。そうしたとき、教科書で「forは何かの目的や終着地点を表す」とだけ記されていたとしても、何のことだか意味不明です。ただオンライン英会話であれば、どのように理解すればいいのかまで含めて詳しく解説してくれます。

グラマーへの疑問をその場で聞けるメリット

またオンライン英会話はマンツーマン指導なので、すぐに疑問に対して質問できるメリットがあります。例えば先ほどの前置詞について、私が海外の不動産業者とメールのやり取りをしたとき、以下のようなメールを受けたことがあります。

このメールにある通り、「on Tuesday」とonを使っています。通常、onは「何かの上に乗っかっているとき」に使用しますが、曜日の前に置かれていました。そこで、オンライン英会話のときにこの理由を聞くと「曜日では必ずonを利用する文法のルールになっているため、これは覚えてしまおう」といわれました。

曜日はonを利用するため、「on Monday」「on Tuesday」になります。一方、月についてはinを利用して「in January」「in February」になると教えてくれました。以下は実際にオンライン英会話でやり取りしたときの様子です。

実際のところ、教科書だけで勉強してもこうした細かいことや覚え方、重要なポイントについてまで理解するのは不可能です。ただオンライン英会話での対面指導なら、その場で具体的に教えてくれますし、質問することですぐに疑問を解決できるようになります。

ネイティブ講師を選ぶのは厳禁

それでは、「実際にグラマーレッスンを受けるときの注意点」としては何があるのでしょうか。これについては、「ネイティブ講師を選んではいけない」ことに尽きます。

オンライン英会話によっては、ネイティブ講師を選択できることがあります。アメリカ人やイギリス人など、ネイティブ講師であればより実践に近い英語力を身に着けることができますし、彼らが実際に生活やビジネスの場で使用している英語を学べるようになります。

ただ文法学習だけで考えた場合、ネイティブ講師を選択すると機能不全に陥ります。

あなたも、日本語の文法についてまったく理解(意識)していないと思います。これは、私たちが日本語ネイティブだからです。例えば、日本語では以下のように変化しますが、この理由を説明できるでしょうか。

  • 終止形:書
  • 連用形:書ます
  • 仮定形:書

同じ「書く」という文字でも、「書ます」ではなく「書ます」のようになります。この理由を説明するのは、日本語ネイティブでは無理です。文法を勉強していないからです。同じように英語ネイティブだと100%の確率で、英語の文法学習にて機能不全に陥ります。

フィリピンやセルビアなど、ノンネイティブが優れる

そこで、フィリピン人やセルビア人などのノンネイティブ(英語が第二言語の人たち)を講師に選ぶようにしましょう。

グラマーレッスンというのは、英語を母国語としない人が頑張って勉強し、文法を理解したうえで英語を習得したからこそ教えることができます。文法について、意識せず習得したネイティブでは教ることができません。

そういう意味では、どのオンライン英会話であってもフィリピン人などのノンネイティブ講師がたくさん在籍しています。そのためオンライン英会話は文法学習に適しているといえます。

参考までに、フィリピンでは英語が公用語とはいっても、全員が英語を話せるわけではありません。特に田舎へ行けば、まったく英語を理解できない人もいます。フィリピンでは小学校から授業が英語なのは本当ですが、彼らは必要に駆られて努力したうえで文法を含めて勉強し、英語を話せるようになっているわけです。

文法の勉強は日本人講師が最強

ちなみに、オンライン英会話で文法を勉強するとき最も適している講師は日本人(バイリンガル)です。日本人であるため、グラマーレッスンにおいて日本人がつまずくポイントを理解しているからです。

以下のように、オンライン英会話によって日本人講師を選択できることがあります。

文法の勉強をするとき、必ずオンライン英会話が用意している教材を利用することになります。

このときの教材については、日本語訳がついているとはいっても基本的には英語で進められることになります。ただ日本人講師であれば、難しい文法の内容であったとしても、日本語で質問できるのでグラマーレッスンを受けるときはスムーズです。

グラマーレッスンというのは、どうしても内容が難しくなりがちです。そのため、日本語講師を利用しても問題ありません。

文法学習と語彙力向上を同時に行うのがおすすめ

英語が口から出てこない状態というのは、理由が2つあります。以下の理由です。

  • 中学英語の文法を理解していない
  • 語彙力が足りない

英語は文章の構造が決まっています。これが英文法であり、文法というルールに従って英文を組み立てることさえできれば、誰でも問題なく英語を扱えるようになります。

ただ、これには「単語を知っている」という前提条件があります。どれだけ文法について理解していたとしても、対象の単語を覚えていなければ言葉を発することができません。そのため、英語学習では文法と語彙力向上の2つが必要になります。

なお私の場合は過去、オンライン英会話を利用するに当たってノンネイティブの講師から「あなたは最初、文法を勉強したほうがいいよ。グラマーとして文章のルールを理解し、そのうえで語彙力を高めれば勉強の効率が良くなる」とアドバイスをもらったことがあります。

このときは以下のように、「次はグラマーレッスンをしましょう!」と授業終了後のレッスンノートでも記されました。

やはり英語を学ぶとき、文法学習は欠かせません。これについては、どの英語学習でも共通だといえます。そのため英語のグラマールールさえ理解すれば、より効率的に英語を扱えるようになります。

ただ前述の通り、中学英語レベルの文法知識で問題ありません。実際のところ、オンライン英会話でも中学英語までの教材で完結していることがほとんどです。これは「英会話が中学英語レベルのグラマー知識でまったく問題ない」ことを意味していますし、実際に私についても中学英語しか学んでいませんが、問題なくネイティブと対等に会話できています。

文法学習にオンライン英会話はおすすめ

グラマーレッスンを受けることを考えたとき、オンライン英会話は非常におすすめです。教科書だけで文法を理解するのは、英語上級者以外は無理であるといえます。しかしながらオンライン英会話であれば、講師に分からない部分を質問しながら英文法を勉強することができます。

実際のところ、教科書だけを読んで理解できる人は少数です。「どのように英語を活用すればいいのか」について、講師に質問できるからこそ理解できると考えましょう。

ただ注意点として、ネイティブ講師を選んではいけません。必ずノンネイティブの講師を選択するようにしましょう。このとき、バイリンガルの日本人講師を選んでも問題ありません。

英会話において、中学英語レベルまでの文法知識は必須です。グラマーレッスンによって最低限の英語のルールを理解し、外国人と問題なくコミュニケーションできるようにオンライン英会話で勉強を進めるといいです。

なお、このときおすすめのオンライン英会話としては以下があります。

DMM英会話

あらゆる国籍の講師を指名できるオンライン英会話としてDMM英会話があります。フィリピン人講師は当然として、セルビア人やナイジェリア人などいろんな国の講師が在籍しています。

またDMM英会話の場合、日本人講師についても指名できます。日本人講師を選ぶコースは、授業料が通常の3倍の値段になってしまうものの、「文法を学ぶ期間だけ高い金額を支払い、グラマーレッスンを一通り終えた後は安い金額に戻す」などを選択しても問題ありません。

なおDMM英会話ではネイティブ講師を指名できるものの、文法を勉強する場合については絶対に利用しないようにしましょう。

24時間365日対応にて利用できるため、多くの人にとって優れるオンライン英会話がDMM英会話だといえます。

レアジョブ

オンライン英会話の中でも、最安値の部類に入るオンライン英会話がレアジョブです。最大手の一角でもあり、非常に多くの人がレアジョブを利用しています。

在籍している講師についてはフィリピン人のみになります。そのため日本人講師を指名するのは無理ですし、フィリピン人以外に依頼することはできません。ただ、文法を学習するという意味ではノンネイティブであるフィリピン人は適しているといえます。

デメリットとしては、毎朝6時~深夜1時と受講できる時間帯に制限があることです。

ただ安い金額にてグラマーレッスンを受けたいと考えている場合、レアジョブを利用して文法力を鍛えるのは優れています。

ネイティブキャンプ

フィリピン講師に限らず、非常に多くの講師から選択できるオンライン英会話にネイティブキャンプがあります。アジアだけでなく、ヨーロッパやアフリカなどの国の講師も在籍しています。

またネイティブキャンプには日本人講師もいます。日本人講師を予約する場合は別料金が発生してしまうものの、これについてはどのオンライン英会話でも同様です。ただ、文法力を鍛えるときに日本人のバイリンガル講師を活用できるのです。

なおネイティブキャンプの特徴は「いつでも何回でもレッスンを受けられる」ことです。隙間時間ができたとき、その場でオンライン英会話のレッスンを受けることが可能です。

「好きな時間に自由に学習したい」「いろんな国籍のノンネイティブを活用し、グラマーレッスンを受けたい」と考えている人にネイティブキャンプは最適です。