オンライン英会話を実践するとき、レッスン方法の一つにフリートークがあります。何も教材を利用せず、単に講師と英語で話をするだけのレッスンになります。
教材を利用しないため、どのような会話になるのか予想できません。また、講師に聞かれたことについて即座に回答しなければならず、英会話の中でもそれなりに高度なスキルを要求されるのがフリートークです。
こうしたオンライン英会話でのフリートークについて、どのようにして有効活用すればいいのでしょうか。また、話題がない状態を乗り切るにはどうすればいいのでしょうか。
実際に海外の人と会話するときは、オンライン英会話でいうフリートークと同じ状態になります。そのためフリートークでのレッスンは必須になります。そこで、「オンライン英会話でフリートークをどのように利用するべきか」について解説していきます。
もくじ
メインはテキストを使用し、中級者以上はフリートークを入れる
オンライン英会話では、「This is a pen.」くらいしか分からない人でも問題なく利用できるほど、非常にさまざまな教材(テキスト)が存在します。事実、英語をまったく理解していない多くの子供がオンライン英会話を利用しているほどです。
そのため基本的には、オンライン英会話では教材を利用して勉強していくことになります。私についても、ある程度まで英語を理解できるようになった状態でも、メインは教材を活用したレッスンにしています。
ただ私の場合、毎日オンライン英会話を利用するようにしていますが、週に1度はフリートークをするようにしています。
ただ、実際にオンライン英会話でフリートークをするときは注意点があります。それは、「初心者には向かない」ことです。中級者以上でフリートークが有効だといえます。
フリートークであるため相手が言っていることを、ある程度まで理解できている必要があります。英会話中級者でも完ぺきに理解することは無理でも、半分ほど聞き取れれば相手の言いたいことを理解できます。
例えば、「Yesterday(昨日)、……… played soccer(サッカーをして)………」と断片的にしか聞き取れなくても、相手が肘を見せてきてケガをしていれば「昨日、サッカーを友人としたけどケガをしてしまったのか」と理解できます。
ただ、何も聞き取れず肘だけ見せられても何のことだか不明です。そういう意味で、英会話中級者以上で「多少は講師が言っていることを聞き取れる状態」でなければフリートークは無理だと考えるようにしましょう。
最初はニュース教材でフリートークの勉強をする
なおフリートークとはいっても、その前に練習をしましょう。どのオンライン英会話を利用したとしても「日々のニュース」に関する教材(テキスト)が存在します。以下のように、世界または日本で話題になったニュースが日々更新され、こうした教材を元に学んでいきます。
実際にやってみれば分かりますが、ニュース教材はフリートークをする前段階としての優れた練習教材になります。
ニュース記事に関する内容を講師と一緒に読み、内容を理解できたかどうかについて先生と一緒にチェックしたり、記事内容について質問を受けたりすることになります。ただ、どのオンライン英会話でも「Discussion(議論)」として、あなたの意見を述べるように質問が組まれています。
例えば、以下は「アメリカで高度肥満の人が半分以上になる研究結果」という内容のニュース教材でもDiscussionです。
こうした質問に回答していくことになります。ただ、質問内容を見れば分かりますが「ほぼフリートークと同じ」だと理解できます。特定の質問について、あなたの自由な意見を英語で述べなければいけないからです。
例えばオンライン英会話で講師がアメリカ人なのであれば、フリートークで以下のような質問をするかもしれません。
- An important issue in the United States is obesity. What is major problem in Japan?(アメリカで重要な問題に肥満があります。日本の大きな問題は何ですか?)
これについて、先ほど記した「Discussion 4」の質問内容とほぼ同じだと分かります。フリートークではあなたの意見を積極的に述べていきますが、これについてはニュース教材を利用すればスキルアップを図ることができます。
参考までに、私が講師から「日本で最も重要な問題は何ですか?」と聞かれたとき「Decreasing population is a major problem in Japan.(人口減少が日本の一番の問題です)」と回答しました。そこから、日本の現状をさらに英語で表現していくことで話を膨らませていったわけです。
フリートークの講師は非常に重要
なお実際にフリートークを実施するとき、講師との相性が非常に重要だといえます。実際のところ、同じフィリピン人やアメリカ人であっても、先生によって英語の聞き取りやすさはまったく異なります。
私が印象深かったのは、仕事でたまたまイギリス人講師のセミナーに出たときのことでした。このとき、私はイギリス人講師の英語をまったく聞き取れませんでした。
ただ隣にはアメリカ人の知り合いが座っていたのですが、彼は「君はイギリス人講師の言っていることをまったく理解できなかったと思う。それ自体は問題ない。彼は訛りがあり、私もあまり理解できなかった」と言っていました。
「同じネイティブなのに英語を理解できないとかあるの?」と思いましたが、よく考えたら日本でも同じ現象が起こります。実際、あなたが東北出身でないのであれば、津軽弁で話をされても意味不明な日本語に聞こえると思います。どうやら、これと同じ感覚のようです。
オンライン英会話であれば、「フリートークであるため相手が何を言っているのか理解できない」という状況よりも、「内容を聞き取れる講師を選んで楽しく会話できる」という状態のほうが重要です。そういう意味で、フリートークの講師は非常に重要だといえます。
実際のところ、私は初めての講師でフリートークを依頼することはありません。自らフリートークを申し込むとき、必ずレッスン2回目以上の先生とフリートークをするようにしています。そのほうが効果が大きいからです。
勝手にフリートークになることはよくある
ただ実際のところ、オンライン英会話によるレッスンを続けていくと勝手にフリートークになってしまうことがあります。
私についても、最初は「ニュース教材を使ってレッスンをする」と決めていたにも関わらず、「今日はどうだった?」という講師の質問に答えていくうちに話が発展していき、気づいたら教材を開かずに時間が過ぎ去っていたことが何度もあります。
しかも私の英語能力があまり高くない段階であっても、そうした現象が何度か起こるようになりました。
なお、私がフィリピン人講師と会話したとき「難しい文法なんかいらないよ。英語を話す人のほとんどが自分たちのようなノンネイティブ(第二言語で英語を話す人)だしね。それより、簡単な文法と単語で伝えられるほうが重要だよ」と言われました。
多くの人はネイティブのような流ちょうな英語を目指します。ただ、実際のところできるだけ簡単な英語で伝えられる能力のほうが重要だと理解しましょう。
同性講師なら話しやすくて効果が高くおすすめ
参考までに、基本的には同性講師のほうが話しやすいです。あなたも、話が盛り上がるのは異性よりも同性ではないでしょうか。
例えば私は男性ですが、私がフリートークをするとき圧倒的に男性講師のほうが盛り上がりやすく、効果的に英語力が上達しやすいです。
私はギャンブルについてはしないものの、男の場合だと興味のあることといえば「女、酒、キャンブル」が鉄板ネタです。
そうしたとき私であれば、フィリピン人講師と会話するとき、相手が男性講師であれば「マニラに旅行したとき、キャバクラに行ったけど日本にはないシステムで最高だったよ!」など、ゲスな会話を含めてフリートークで自由に会話できます。
また実際のところ、そうした会話のほうが盛り上がります。女性講師では無理でも、男性講師なら可能なのです。参考までに、以下は私が訪れたフィリピン・マニラの実際のキャバクラです。
一方で女性の場合、美容や恋愛、育児などに興味をもっている人が多いです。そう考えると、どうしても同性のほうが話のネタは多くなります。
何を話す?テーマ・トピックスを決めてネタ切れを防ぐコツ
それでは、実際にフリートークをするときは何を話すようにすればいいのでしょうか。これについては、テーマ・トピックスを先に決めるようにしましょう。例えば、「文化の違いで話をしよう」などのように話のテーマ内容を決めてしまうのです。
日常会話や雑談をするとはいっても、あくまでも英会話の勉強です。長い沈黙により、時間を無駄にしてはいけません。そうしたとき、以下のようなテーマが英会話に向いています。
【文化の違い】
日本と海外では文化が大きく異なります。そのため、最も話しやすいテーマの一つになります。
- 休日
- 結婚
- 宗教
- 季節
このように、ネタは何でもありです。実際のところ、一年のうちどの時期に会話するのかによってフリートークのテーマは異なりますが、身近なものを選べばいいです。
例えば4月になれば、日本では多くの人が花見に出かけます。そこで、以下のような会話から始めれば問題ありません。
- Many Japanese go outside to eat and drink under cherry blossom in April.(多くの日本人は4月に桜の下で飲食をするために外出します)
- Are there such customs in your country?(あなたの国にそうした習慣はありますか?)
また「5月であればGW(ゴールデンウィーク)」「6月なら梅雨」「7月なら夏休みの始まり」など、その月ごとに日本独自の文化・風習があります。そこで、それを題材にして日本での習わしを話したり、相手の国の文化について聞いてみたりすれば問題ありません。
私がいろんな国の人とフリートークをして思ったのは、最も話す内容に困らないトピックスが文化の違いになります。また、自分たちとはまったく異なる文化なので、先生の話を聞くにしても面白い題材だといえます。
【旅行・場所】
旅行や場所に関することについても、テーマとしては非常に優れています。話題がないと思ったとしても、旅行であれば誰でもどこかには行ったことがあるはずです。また、日本についてどこに優れた場所があるのか英語で伝えれば問題ありません。
- あなたの故郷
- 日本のおすすめの旅行場所
- 最近、行った旅行場所
- あなたがいま住んでいる街
このように、トピックスとしてはいくつもあります。
例えば私の場合、岡山県出身です。そのため、以下のようにフリートークで自分の出身県を紹介したことがあります。
- My hometown is Okayama which is next to Hiroshima.(私の故郷である岡山は広島の隣です)
- It takes about 1.5 hours from Okayama to Kyoto by high-speed rail.(岡山から京都は高速鉄道利用で1.5時間ほどで行けます)
- I have been to Kyoto for many times.(私は何度も京都へ行ったことがあります)
このように、非常に簡単な文章で問題ありません。同時通訳者を目指すわけではないため、文法や単語は多少めちゃくちゃでもいいです。
注意点として、外国人でも理解できるように話すことを意識しましょう。外国人であっても、東京や大阪、京都、広島、沖縄は非常に有名なので誰でも知っています。こうした都道府県を起点として説明するといいです。
【仕事】
仕事の話についても、フリートークでの話題で頻繁に活用されます。学生であっても勉強が仕事なので、誰でも仕事の話をすることができます。
- いまの仕事内容
- 通勤方法(通学方法)
- 学生時代の専攻
- 将来、やりたい仕事
仕事については、あなたがいましていることを伝えるだけです。多少の専門用語はあるかもしれませんが、オンライン英会話では自己紹介を含め何度も仕事に関する単語を利用するため、勝手に覚えているはずです。
また、仕事であれば「今日は優れた成果を出せた」「セミナー講師をしなければいけなくなった」など、そのときのイベントをフリートークで話す内容に設定すれば問題ありません。そのため、話題として適しています。
雑談での話題がないのは質問をしていない証拠
ただ、こうした主要なテーマについて理解したとしても、実際にオンライン英会話でフリートークをしたときに「雑談での話題がない」「テーマを思いつかない」と頭が真っ白になる人がいます。この理由は単純であり、あなたが質問していないからです。
日常会話において、一方的に話をすることはありません。例えば友人と日本語で旅行の話をするとき、最近出向いた場所について説明したのであれば、今度はあなたからが相手に対して「最近はどこに行ったの?」と聞き返すはずです。そうして、話題が盛り上がっていきます。会話のキャッチボールが必要となるのです。
英会話についても、言語が英語になっただけであり、あなたからの質問は必須だといえます。講師から質問を待ち、それに回答しているだけの状態は会話ではありません。単なる尋問であり、ネタ切れを起こして当然だといえます。
例えば、私はタイ・チェンマイでコムローイという祭りに参加したことがあります。旅行をテーマにフリートークをしたとき、写真と共に講師に見せました。以下が実際の様子です。
このとき、私は先生に対して「Have you ever been to foreign country?(海外に行ったことはありますか?)」と聞くようにしました。
そのときの講師はセルビア人でしたが、「私はドイツやフランスなどヨーロッパは何度も行っています。ただ日本や韓国、タイなどアジアに行ってみたい」と返ってきました。そこから、また話を膨らませることができます。
例えば、以下のことを英語として話せば問題ありません。
- 日本なら京都が最もいいですよ
- 韓国はキムチが有名で、日本でも人気です
- タイには寺がたくさんあり、日本人にとって人気の国です
このように質問すれば、次の会話のテーマを生み出せるようになります。日本語でいつもしていることについて、英語でも同じように実施すればネタ切れを起こすことがなくなります。
日常会話が苦手で緊張するなら日本人講師
ただ、オンライン英会話では外国人が相手になります。そのため、言いたい表現が出なかったときに困ってしまいます。私についても「この表現って何て言うのだっけ?」と考えることが頻繁にあり、知っている範囲内の単語だけで何とかして会話を組み立てる必要があるので頭を使います。
このとき日常会話での雑談が苦手であり、外国人との会話でのハードルが高い場合、日本人講師を活用するという方法もあります。
相手が日本人であれば、日本語で「〇〇はどう表現するのでしたっけ?」とその場で聞くことができます。
ちなみに話題のネタに関していうと、日本人講師のほうが困りやすいです。「文化の違い」「日本の有名な地域」など、相手は日本人なので既に内容を知っています。そのため日常会話が苦手でも相手が日本人なら緊張しないものの、話題がない状態には陥りやすいと考えるようにしましょう。
途中で教材に切り替えてもいい
なおオンライン英会話であるため、何もフリートークにこだわる必要はありません。ネタ切れにより、話題がなく内容が続かない場合、途中で教材を使用したレッスンに切り替えるのもおすすめです。
私の場合、オンライン英会話では最初いつも雑談から入るようになりますが、途中で話が区切りよく終わった時点で、テキストを利用した勉強を依頼することはよくあります。このとき、以下のように伝えれば問題ありません。
- I’d like to use some materials today.(今日は教材を使って勉強したいです)
これにより、教材を利用した勉強に切り替わるようになります。
「雑談が苦手で、何を話せばいいのか困るような人であっても、途中で教材を利用した勉強方法に切り替えればいい」と理解すれば、フリートークによるオンライン英会話であっても重荷にはならないのではと思います。
フリートークを利用して英語能力を伸ばす
ここでは、「オンライン英会話で、どのようにして効果的にフリートークを利用すればいいのか」について、その活用法を解説してきました。
教材・テキストを用いた英語の勉強は重要です。ただ「フリートークによって、どれだけ自分の意思を相手に伝えることができ、相手が話す内容を聞き取って理解できたのか」を確認することも重要だといえます。メインは教材になるものの、フリートークも勉強に取り入れるようにしましょう。
ただ、このときはネタ切れを起こさないコツがあります。話す内容としてテーマを先に決め、さらには相手講師にも質問を投げかけ、そこから話題を広げていくようにしましょう。そうすれば、英語に詰まることはあってもネタ切れが起こることはありません。
またどうしても日常会話の雑談で緊張する場合、日本語講師という選択肢もあります。さらには、途中で教材利用の勉強に切り替えても問題ありません。
こうしたポイントを理解したうえで、オンライン英会話のフリートークを利用していきましょう。英語能力の上昇にフリートークは重要なので、テキストを用いた勉強と組み合わせながら実施していくといいです。