オンライン英会話を検討するに当たり、ネイティブとのレッスンを希望する人はたくさんいます。そうしたとき、特に人気の講師が北米のネイティブになります。

北米というと、つまりはアメリカ人とカナダ人です。こうしたネイティブと会話レッスンを受けることで発音が良くなり、さらにはネイティブが発する早い言葉にも慣れることができます。

ただ当然ですが、アメリカ人やカナダ人などのネイティブとレッスンを受ける場合、デメリットもあります。そのため、事前に理解しなければいけないポイントがあるのです。またネイティブ講師を選べるオンライン英会話は限られるため、どのオンライン英会話を利用するべきかについても学ばなければいけません。

そこで、ここでは北米講師に依頼してレッスンを受けるときに知っておくべきポイントを解説していきます。

日本で勉強するのはアメリカ英語

英語において世界の標準と位置付けられているのがアメリカです。日本の教科書で学ぶ英語もアメリカ英語であり、イギリス英語ではありません。そのため、アメリカ英語は私たちにとってなじみの深いものになります。

そうした意味では、世界の標準であるアメリカ英語を学ぶのは意義があるといえます。またイギリス英語だと日本と同じように地域によって多くの方言があるものの、アメリカ英語では地域による方言の違いはそこまで大きくありません。そのため、アメリカ英語を学べばアメリカ全土で通用します。

なお、アメリカ英語については言葉を省略することが多く、gonnaやwannaなどは頻繁に利用されます。また文章同士をつなげたりすることがよくあり、文章をつなげて話すことをリエゾンといいます。

日本語は一つの単語をハッキリと発音するのが特徴です。一方で英語の場合は言葉を発しないこともよくあり、その中でもアメリカ英語はリエゾンが強く慣れていないと聞き取りが難しいというわけです。ネイティブの中でも、言葉の省略やリエゾンにより、会話スピードを速く感じるのがアメリカ英語です。

・カナダ英語は標準的

ちなみにカナダ英語については、発音はアメリカ英語とほぼ同じです。そのため、アメリカ英語を理解していればカナダ英語で困ることはありません。そのためカナダ人講師とレッスンをするにしても、アメリカ英語の発音を学ぶことができます。

ただカナダ英語については、クセのないニュートラルな英語になるという特徴があります。

発音練習での勉強はネイティブが優れる

実際のところ、ネイティブとの会話は非常に難しいです。これがニュートラルなカナダ人講師ではなく、リエゾンの強いアメリカ人講師となるとなおさらです。英語の聞き取りだけを考えると、ノンネイティブとの会話のほうが楽です。

しかし、ノンネイティブとばかり会話の練習をしている場合、アメリカ人の早口な言い回しを理解しにくいです。そうしたとき、ネイティブ講師とレッスンをすることで北米の人の発音を聞き取り、さらには会話できるようになることは重要です。

アメリカ人やカナダ人と対等に話せるようになれば、英語学習においてほぼ問題ないといえます。特に発音練習では、ノンネイティブよりもアメリカ人やカナダ人のほうが的確な指摘をしてもらえます。

・方言の違いは気にする必要がない

ちなみに、アメリカ英語やイギリス英語に相違があるにしても、そこまで英語での表現を区別する必要はありません。例えば、違いとしては以下のようになります。

  • I want to watch the movie.(アメリカ英語)
  • I want to watch the film.(イギリス英語)

単語の多少の違いはあるものの、2つの英文を比べたとき、日本人でさえ相手が何をいいたいのかそれぞれ分かると思います。そのためアメリカ英語という言葉はあるものの、方言についてそこまで神経質になる必要はありません。

上級者から意味のあるネイティブレッスン

なお、北米のアメリカ人やカナダ人からオンライン英会話でレッスンを受けるとはいっても、上級者になってからにしましょう。少なくとも、初心者や中級者がネイティブ講師を利用してレッスンを受ける意味はありません。

英語力を伸ばすことを考えたとき、当然ですが最初は初級者レベルの教材を活用し、ゆっくりしたスピードで話してもらわなければいけません。

そうしたとき、アメリカ人講師やカナダ人講師だとネイティブなので必然的に会話スピードは速くなります。つまり、初心者や中級者にとって難易度が高くなります。

ただ、そうした高難度の状態だと英語学習の効率は落ちます。あなたの英語レベルに合わせて、ある程度までゆっくりしたスピードで会話してくれるからこそ、少しずつレベルアップが可能になると考えましょう。

ネイティブ独特の言い回しや、ネイティブに近い発音というのは、英語の上級者になってから気にすれば問題ありません。語彙力が少なく、満足な英語表現を理解できない段階からネイティブに挑戦しても学習効果は薄いといえます。

最初はフィリピン人が最適

そのため、北米ネイティブの英語を学びたい場合であっても、上級者以外はまず、フィリピン人を指名するといいです。フィリピンはアメリカの植民地であったことから、広くアメリカ英語が話されているからです。

アメリカ企業についても、コールセンターの多くをフィリピンに設置しています。これはフィリピン人の英語力が高く、さらにはアメリカ英語が基本となっているからです。

またフィリピン人の場合、英語はあくまでも第二言語のため、文法知識があり問題なく初心者に英文法を教えることができます。ネイティブは基本的に母国語の文法を学習していないので理解(意識)していないものの、フィリピン人などであれば可能なのです。

アメリカ人やカナダ人とのオンライン英会話については、「フィリピン人と問題なく意思疎通を図ることができるレベルになり、フィリピンの先生では物足りなくなった段階」になってから考えれば問題ありません。

・アメリカやカナダへの留学を考えている人もフィリピン人がいい

なお、アメリカ留学やカナダ留学を考えている人であっても、上級者以外はフィリピン人の先生が最も適しています。初心者や中級者がいきなりネイティブと会話するにしても、高確率で付いていけないからです。

そのため、特定の北米の国へ留学することを考えている人であっても、最初はフィリピン人を選択するようにしましょう。そこからレベルアップしたら、アメリカ人やカナダ人とのレッスンを開始するといいです。

必然的に値段は高くなる

ただアメリカやカナダについては先進国になります。そのため物価は日本と同じか、または高くなります。そうしたとき、格安オンライン英会話とはいっても必然的に値段は高額になると考えるようにしましょう。

もちろん、リアル店舗を構えている英会話スクールに比べると圧倒的に安価であることには変わりありません。ただ、ノンネイティブとの英語レッスンに比べると3倍ほどの金額になるのは当然だといえます。

例えば、以下はDMM英会話での料金表になります。

プランによって金額は異なりますが、このように「ノンネイティブとのみ会話できるプラン(スタンダードプラン)」に比べると、ネイティブと毎日レッスンをする場合は2.5~3倍ほどの金額になっていることが分かります。

それなりに金額は高くなるため、金銭的な意味でも「英語上級者でネイティブの発音を学びたい人」のみ、アメリカ人やカナダ人の講師を選択する意味があります。

・時差の関係で朝や夜がメインになる

なおアメリカやカナダの先生であるため、それなりに時差があります。そのため、オンライン英会話でレッスンを受けられる時間帯は基本的に朝か深夜になります。昼から夕方にかけて受講できる北米の講師は激減します。

例えば日本で昼12:00だと、ワシントンD.C.では夜22:00です。また日本で16:00だと、ワシントンD.C.では26:00(深夜2:00)です。他には日本で22:00だと、ワシントンD.C.では朝8:00です。これが、朝や深夜でなければ北米の先生を指名しにくい理由になっています。

アメリカ人やカナダ人とレッスン可能なおすすめオンライン英会話

ただ、それでも語彙力をそれなりに身に付けることがき、ノンネイティブとの会話は問題ないという上級者であれば、より高度な英語力を身に着けたいと考えるのは当然です。

  • アメリカ英語のリエゾンに慣れたい
  • ネイティブのスピードについていきたい
  • 発音を正しいものに矯正したい
  • 独特の言い回しを理解したい

こうしたことを考えているのであれば、ネイティブ講師を選択してオンライン英会話のレッスンを受ける意味があるといえます。

ただ、オンライン英会話とはいっても「フィリピン人のみが在籍するオンライン英会話」のほうが多いです。そうしたとき、ネイティブ講師が在籍しているおすすめのオンライン英会話としては以下があります。

DMM英会話

さまざまな国の講師を指名して勉強できるオンライン英会話としてDMM英会話があります。ノンネイティブであれば、フィリピン人に限らずセルビア人やナイジェリア人など世界中の多国籍講師が在籍しているのです。

また、同時にDMM英会話にはネイティブ講師もいます。受講料が2.5~3倍ほどの金額にはなるものの、アメリカ人やカナダ人の先生を選択することが可能になっています。ちなみに、日本人講師についてもレッスンを受けられます。

毎日のネイティブレッスンを受けることを考えたとき、DMM英会話を活用してアメリカ人やカナダ人を指名するといいです。

ネイティブキャンプ

北米のネイティブでレッスン可能なオンライン英会話としてネイティブキャンプがあります。ノンネイティブが基本になるものの、アメリカ人講師やカナダ人講師についても指名することができます。

ネイティブキャンプは「月額6,480円の決まった料金で受講が無制限」という特徴があります。このとき、予約なしで受講するスタイルが一般的です。ただ、ネイティブとのレッスンでは予約が必須であり、このときは2,000円(25分レッスン)が必要です。そのため、わりと高額になってしまいます。

アメリカやカナダの講師と毎日の受講を考える場合、ネイティブキャンプは向いていません。ただ高額になってしまうので、単発でネイティブとのレッスンを受けたいときは優れているといえます。