格安のオンライン英会話を活用する場合、必ず講師を指名してレッスンを開始しなければいけません。そうしたとき、質の高い講師をどのようにして選べばいいのでしょうか。

どのオンライン英会話であっても、講師の質についてはある程度まで確保されています。ただ、人気講師であったとしても、必ずしもあなたにとって質が高いわけではありません。オンライン英会話というのは、正しい講師の選び方があるのです。

それでは、どのようにしてオンライン英会話での先生を選べばいいのでしょうか。

相性の良い講師を選ぶことは学習の質に直結します。そこで、ここでは「オンライン英会話での先生の選び方」について解説していきます。

人によって講師の質のレベルが異なる

オンライン英会話では、講師全員の質について担保されています。講師になるためには事前のテストがあり、それに合格した人しかオンライン英会話の講師として活躍できないからです。

そうした状況の中で「講師の質が高い」という基準は、どのように判断すればいいのでしょうか。これについては、人によって評価基準がバラバラです。

ザックリと分けると、人によって以下のようになります。

  • 英語初心者:ゆっくり丁寧に教えてくれる先生
  • 英語上級者:より高度な言い回しを教えてくれる先生
  • 子供:一緒に楽しみながら教えてくれる優しい先生

そのため、たとえ人気講師であったとしてもあなたにとって優れた先生であるかは不明です。実際のところ人気講師であっても、生徒によってはまったくダメなケースは多いです。

例えば私であれば、英語能力ゼロの完全初心者のときにオンライン英会話で英語の勉強をスタートさせました。このとき、セルビア人の人気講師を指名してレッスンしたことがあります。

その先生は非常に明るく、何でもほめてくれて人柄は非常に優れていました。ただ、「完全に子供向けの先生だな」と感じました。ほめてくれるのは非常にいいのですが、すべてがオーバーリアクションなのでレッスンのスピードが他の先生に比べて非常に遅かったからです。

また、日本の桜について会話をしているとき「日本の桜に関する歌を歌いましょう!」と講師が言い始め、自分の知っている歌を日本語で勝手に歌い始めました。当然、私は英語力を磨きたいのであり日本の歌を講師と一緒に歌いたいわけではありません。そのため、レッスン中にイライラしてしまいました。

参考までに、その講師の口コミはやはり以下のように「子供に学ばせたい親」に人気の先生のようです。

この先生自体は人気講師ですが、これは「子供受けが非常にいい」という意味です。大人向けの講師ではなく、子供に楽しく英語を勉強させるときに最適な先生だといえます。

人によって求める講師像が異なるため、たとえ人気講師であったとしてもあなたに合うかどうかが不明なのには、こうした理由があるのです。

先生の評価数や講師歴、資格は無視するべき

そうした視点で考えると、講師の選び方として「先生の評価数や講師歴、資格をすべて無視する」ようにしましょう。実際のところ、参考にする意味がないからです。

どのオンライン英会話でも、以下のように評価数や講師歴などが記されています。

評価数とはいっても、講師歴が長ければ勝手に評価数が多くなります。また評価数が多く人気講師であったとしても、先に述べた理由によって、あなたにとって最適な講師かどうかは不明です。

さらにいうと講師歴3年以上とはいっても、「そのオンライン英会話で3年以上の登録がある」というだけです。実際には他の英語教室で教えていたとしても、オンライン英会話の先生として登録したばかりであれば、講師歴は1年未満となります。

ユーザーからの高評価や講師歴を確認してしまう気持ちは分かりますが、基本的には意味がないと考えましょう。

参考までに、私が最も利用している先生はセルビアの男性であり、お世話になった当初は講師歴1年未満でした。また、彼は「エジプトのアメリカ国際学校に通っていた」という経歴ですが、特に教師歴や英語の資格はありません。ただ、ネイティブ並みに優れた講師です。

ぶっちゃけ、試して比較しないと相性は分からない

それでは、「人によって求める講師のレベルは異なり、評価数や講師歴が当てにならない」となると、具体的にどうやって講師を選べばいいのでしょうか。

これについては実際のところ「いろいろな講師を予約して試し、比較しなければ何も分からない」と考えるようにしましょう。ある程度、ランダムでいいので予約して、いろんな講師にレッスンを依頼し、その中で相性のいい先生を発掘するのが正しい選び方だといえます。

私についても、オンライン英会話を開始して最初の一ヵ月はいろんな先生をランダムで予約することにしました。その中で、先に述べた「子供向けの先生」に当たってがっかりすることがあれば、良い先生と出会えたこともあります。

実際にオンライン英会話を開始するうえで、私がアドバイスできる先生の選び方としては、以下になります。

  • 予約画面上から優れた講師を探す方法は存在しない。目に入った講師をとにかく予約するべき
  • 実際にレッスンを体験して、少しでも「何か違う」と感じたら次回は受講しない

予約してレッスンを試さなければ、相性がまったく分からない以上、予約の段階でいろいろ悩む意味はありません。目についた講師の中でも、あなたが良さそうだと思う先生を予約すればいいです。そうした中で、相性のいい先生だけを残していくだけです。

教科書的なレッスン内容を教える人は避ける

こうして実際に予約し、レッスンを受けたのであれば「あなたにとって講師の質が高いかどうか」をようやく見分けられるようになります。

そうしたとき、すべてに共通しますが「やる気のある講師」を残していくようにしましょう。先生のやる気について、どのように判断するかというと、その判断基準としては「教科書的なレッスンだけで終わっているかどうか」だといえます。

オンライン英会話では、ほぼ教材メインでレッスンを進めていくことになります。そうしたとき、教材にある内容だけで完結するのであれば、自分一人で勉強すれば問題ありません。そうではなく、教材以外の内容を学べるからこそオンライン英会話の意味があるといえます。

例えば私が英語初心者のとき、レッスン中で講師が使う「in」「on」などの使い方を理解できず、質問したことがあります。このとき、講師は以下のように図をどこからともなく探してきて、提示してくれました。

このように図で示してくれたため、非常に分かりやすかったです。またこのときの先生については、同時に以下の違いについても教えてくれました。

  • I ride in a car.(私は車に乗っている)
  • I ride on the train.(私は電車に乗っている)

英語初心者の私は当然ながら、なぜ電車では「on the train」とonを使うのか理解できませんでした。電車の中に入っているため、inを使うのではと考えたわけです。onは「〇〇の上にある」と表現するときに使うため、意味不明でした。これについて、講師は以下のように教えてくれました。

車に乗っているとき、立ったり座ったりして動きますか? 動きませんよね。そのため、inを使います。

一方、電車だと当然ながら座ることは可能ですが、立つこともできますよね。また、自由に歩くことも普通です。そのため、「電車内の床の上に立っている」という意味でonを使います。

そこで私は「それでは飛行機だとon an airplaneになるのか」と尋ねると、その通りだと教えてくれました。

こうしたことは教科書のどこにも載っていません。ただ実際の英語において私たちが知りたいのは、こうした「実際の英語の使い方」だといえます。そのため、教科書には載っていないが生徒が知っておくべきこと」について、やる気をもって教えてくれる先生だと質が高いといえます。

英語の聞き取りやすさは非常に重要なポイント

なおオンライン英会話の講師を選ぶに当たり、重要なポイントとして「先生による英語の聞き取りやすさ」があげられます。特に初心者の場合、講師が話す英語は非常に重要だといえます。

そうしたとき、オンライン英会話ではフィリピン人講師が最も多く在籍しており、その次にセルビア人が多くなります。こうした国籍の人であれば、発音については問題ないことが多いです。ただ私の個人的な主観ですが、例えばナイジェリア人だと訛りが強い傾向にあり、発音が聞き取りにくいです。

また、英語のスピードも重要です。上級者であれば関係ないですが、初心者や中級者だと、講師が言っていることを理解できることが非常に重要になります。そうしたとき、早口で話されると理解できません。

私についても、過去にアルメニア人女性の講師とレッスンをしたことがあります。ただ、この講師は発音がクリアであるものの、非常に早口のため理解するのが非常に難しく、2回目以降のレッスンを入れることはありませんでした。

言葉の訛りやスピードを含め、聞き取りやすさを比較しながら相性のいい先生を探していくようにしましょう。

日本人講師は英語初心者のときだけ利用する

そういう意味では、特に英語初心者なのであればバイリンガルの日本語講師を検討するのは選択肢の一つだといえます。

利用するオンライン英会話にもよりますが、日本人講師を選べることがあります。フィリピン人講師とのレッスンに比べると格段に受講料は高くなりますが、以下のように日本人講師を選択できるのです。

日本人講師の場合、生徒と同じ「日本英語」を扱う人たちなので発音は当然ながら聞き取りやすいです。また初心者にとってみると、英語を話せなかったとしても日本語で質問できるので安心です。

ただバイリンガルの日本人講師を利用するのは初心者のときだけにしましょう。中級レベル以上になった場合、日本人講師以外を選択することで、すべての会話を英語だけで完結させるようにするといいです。選び方については、「日本人講師=英語初心者が選択するべき」だといえます。

上級者になれば先生を変えていく

こうしてあなたの英語能力を向上させていくようにしますが、英語の上級者になれば講師を変えていかなければいけないケースがあります。

先生によっては、初級者から上級者まで含めて受講者全員に対応できることがあります。私についても、ずっとオンライン英会話を利用していますが、何年も継続してお世話になっている先生がいます。

ただ、私の英会話のレベルが上昇するにしたがって変えた先生もいます。特に私の場合、「話のスピードが遅い先生(初心者向けにわざと会話スピードを落としている先生)」についてはレベルアップに従って積極的に変えていくようにしました。

それまで気に入っていた先生に物足りなくなった場合、それはあなたが成長した証拠だといえます。このときについては、上級者向けの先生を発掘するようにしましょう。

人気講師より、予約しやすい講師がおすすめ

なお実際のオンライン英会話では、多くの場合で同じ講師とレッスンを受けるようになります。毎回、レッスンする先生を変えてもいいですが非効率です。それよりも、相性が良くレベルの高い先生を何度も指名するのがおすすめです。

もちろん、定期的に新たな講師のレッスンを受けるのは優れています。ただ毎回講師を変えるよりも、レベルの高い講師の指導をいつも受けるほうが勉強の効率がいいといえます。私についても、お気に入り講師を何度も指名するスタイルで英語力を伸ばしています。

そうしたとき、講師によっては「選べる時間帯が非常に少ない」「オンライン英会話で、たまにしか予約できない」などのケースがよく起こります。例えば以下のように、選べる時間枠が非常に少ない講師はそれなりにたくさんいます。

講師にとって、オンライン英会話を副業でしている人は多いです。こうした講師の場合、隙間時間に少しだけ稼ぎたい人になります。その場合、どれだけその講師が優れていて気に入ったとしても、再び指名するのは難しくなります。

そのため講師の選び方としては、本業に近い形でオンライン英会話の先生をしている人」がおすすめです。本業でしている講師であればほぼ毎日、予約枠が開けられています。また、予約できる時間も幅広いです。本業の講師だと、以下のようになります。

また、中には「本業でオンライン英会話を教えているものの、非常に人気講師なのでなかなか予約を取れない先生」もいます。ただ予約がすぐに埋まる人気講師だと、実際問題として何度もレッスンを受けるのが難しくなります。

そのため個人的には、「講師としては非常に優れているものの、まだ人気講師になっていない先生」を発掘して何度も依頼するのがおすすめです。

私についても、かつては何度も依頼していたが、次第に人気講師になってほぼ予約を取れなくなってしまった先生は何人かいます。これについては仕方ないため、いろんな講師を選んで英語の勉強を進めるといいです。

最終的には3~5人の講師に落ち着く

こうしてオンライン英会話を実践していけば、最初は講師の選び方が分からない状況であったとしても、最終的には3~5人の講師にお願いするように落ち着くのが一般的です。

私の場合、以下のように何人ものお気に入り講師を登録しています。

私が受講したい日にち・時間に必ず同じ講師が空いているわけではありません。既に予約が埋まっていることもあります。

しかし毎日オンライン英会話を利用するにしても、こうしたお気に入り講師を登録しておけば、誰かが空いている可能性が高います。そうして、結果的に「お気に入り講師の中でも、特にお願いする3~5人にレッスンが集中するようになる」と考えるようにしましょう。

ネイティブの先生が高品質なわけではない

なお、講師の選び方で多くの人が悩む点として「ネイティブ講師を選択するべきか」というものがあります。ただ、これについては必ずしもネイティブ講師が高品質というわけではありません。

特に英語初心者の場合であれば、ネイティブ講師よりもノンネイティブのほうが優れています。フィリピン人やセルビア人、バイリンガルの日本人講師だと以下のような特徴があるからです。

  • 英語の文法を理解している
  • 簡単な単語や文法で表現できる

英語が第二言語の場合、年齢が高くなった後に英語を学ぶため、文法を理解することで英語を話せるようになる必要があります。ただ、ネイティブだと文法知識がゼロのため、あなたに論理的な英語の話し方を教えることができません。

またノンネイティブだと、ネイティブのような語彙力はなく、高度な言い回しもできません。そのため、簡単な英単語や文法で表現する傾向が強いです。つまり、初心者にとって理解しやすいといえます。

オンライン英会話でネイティブ講師を利用するのは、英語の上級者だけでいいのではと思います。英語上級者であれば、ネイティブが普段利用する言い回しをオンライン英会話で勉強できます。そのため優れていますが、少なくとも英語の初心者や中級者にとってネイティブは必ずしも高品質ではないといえます。

講師の質が高いオンライン英会話で勉強する

英語学習で、オンライン英会話を利用するのは非常に優れているといえます。ただ、高品質の先生の定義は人によって異なります。また、実際のところ予約画面上だけで相性のいい講師をピンポイントで選択するのは不可能です。

そのため講師の選び方としては、ひとまずランダムでもいいので実際に予約を行い、レッスンを受講してみるのが一番だといえます。

このとき、「本業でオンライン英会話を仕事としている講師を選ぶ」「人気講師より、予約しやすい先生を選択する」ことがおすすめです。また初心者であれば日本人講師を利用しても問題ありません。ただ、ネイティブは必ずしも高品質ではないことを理解しましょう。

こうした先生の選び方を理解したうえで、実際にレッスンを受けながら講師を比較し、質の高い講師を発掘していくようにしましょう。評価数や講師歴などは無視して、あくまでもあなたと相性のいい先生とレッスンを進めていくといいです。